GOES衛星による太陽X線観測をもとにデリンジャー現象(電離圏による短波の異常減衰)の現況を地図に表示します。



●5分以内の最新のマップが約2分毎に更新されます。
●マップはメルカトル図法と東京中心の方位図法から選べます。
●デリンジャー現象が発生すると色が黄色や赤に変わります。
●時刻は世界時(UT)と日本標準時(JST)で表示されます。
●主な電波伝搬経路が赤線で示されています。



・現況マップ(自動更新)
・アニメーション




・過去のマップおよびアニメーションを検索


●短波減衰マップは試験的に作成提供しています。
●予期しないトラブルで更新が停止することがあるかも知れません。長時間更新されない場合はご連絡ください。
●ご意見・ご要望を「電波伝搬障害研究プロジェクト(下記アドレス)」宛てにお聞かせください。




---------- 解 説 ----------

●短波減衰マップ
短波電波の電離圏による減衰(デリンジャー現象)のめやす(相対値)です。デリンジャー現象は時刻や季節で変化しますから、世界地図を用いてその影響範囲を表示します。表示は現在の状況と時間変化のアニメーションの両方があり、それぞれ、メルカトル図法と正角方位図法から選べます。薄い青色は通常の昼間の減衰量変動を表し、デリンジャー現象が起こると黄色から赤色に変わります。赤い曲線は世界各地との伝搬経路(大円コース)を投影したものです。これによって、デリンジャー現象の影響を受けている回線が判断できます。この他に、極周り回線では別の原因による極冠域吸収(PCA)を受けることがあります。

●デリンジャー現象
短波は主に電離圏のF層で反射されて長距離伝搬しますが、電離圏の最下部にあるD層は、その性質のため電波を吸収します。吸収量はD層の電子密度が高いほど大きく、低い周波数ほど影響されます。D層の電子密度は太陽の紫外線やX線による電離反応で維持され、日没とともに殆ど消滅します。太陽の放射するX線の強度は著しく変動し、大きな太陽面爆発(太陽フレア)が発生すると通常時の100倍から1000倍にも達します。このとき、D層では異常に電離がすすみ、短波電波の吸収(ブラックアウト)が起こります。いわゆるデリンジャー現象です。デリンジャー現象の継続時間は数分から数時間にわたるものまであります。

●太陽X線
アメリカの気象衛星GOESで1〜8[Å]のX線強度を常時モニターしています。静穏時は10-7[W/m2]程度ですが、フレア発生時には10-5(Mクラス)から10-4(Xクラス)まで増加します。

● D層
電離圏の最も下部(60-90[km])の領域をD層と呼びます。D層は昼間太陽の紫外線(ライマン-α線)やX線によって大気が電離して形成されます。この領域の電子密度はE層やF層と比べて低いのですが、大気と電子の衝突が激しいため、短波帯の電波を吸収して減衰させる働きがあります。

● E層
電離圏の高度90-150[km]の領域をE層と呼びます。おもに分子イオンと電子からなり、D層と同様に夜間には密度が著しく低下します。同じ高度に突発的に形成されるスポラディックE層は電子密度が異常に高くなり、VHF帯の電波まで反射させることがあります。テレビなどの混信障害の原因となります。

● F層
電離圏の最も濃い(電子密度の高い)領域をF層と呼びます。F層は主に酸素イオンと電子から成り立っていますが、夏の日中には分子イオンを主とするF1層と酸素イオンを主とするF2層に分かれます。F層の特徴として、日没後も完全には電離が消えないことが上げられます。短波の長距離通信は主にF層による反射を利用します。